例示字形の表示について
谷本玲大(http://www.amy.hi-ho.ne.jp/s_tanimoto/)記
増補作業当時の『今昔文字鏡』の検索エンジンはVer2.20、フォントバージョンは1.30を用いた。
増補に当たっては、以下の手順で作業を行った。
「大漢和辞典」フィールドに大漢和番号があるものについてはその番号を優先した。
大漢和番号が無い場合は「外字」フィールドの記載を元に適切であろうと推察される字形を割り当てた。
西本願寺本万葉集並びに各種伝本の影印に直接当たってはいないので、このフィールドで示された字形はあくまでも参考に過ぎない点に注意されたい。
具体的には、次のような問題が生じる。
| チ | 扁[缶]旁[尊] | 28175(9/7) | 僧中23.3 | |
| ツ | 冠上[艾]足[惠] | 31968(9/908) | 僧上20.7 |
チの場合、大漢和番号28175の旁部分は「
」であるが、吉村氏によってJIS範囲の文字で示された字形指示は「
」である。
文字鏡の場合、表中に示した
(&M028175;)の他に
(&M057051;)も用意されているが、万葉集の写本中ではどちらの字形が用いられているのかは実際にはわからない。ツの場合も、大漢和辞典に従う限り、草冠が四画の字形であるが、写本がまさしく四画で書いているのかはわからない。
このようなわけで、文字鏡(文字鏡番号)フィールドに掲げた字形は「あくまでも参考に過ぎない」というわけである。
また、『今昔文字鏡』側に該当する字形がない場合は、近似の字形を掲げた場合がある。
例えば
| g | 扁(a上[个]b[ヨ]c下片[シ])旁[攵] ->「殺」の異体字 |
なし | なし |
これは
の下は「一」ではなく
のように跳ねるべきであるが、『今昔文字鏡』側に該当する字形が登録されていなかったので、とりあえず包摂しておいたのである。
また、このフィールドは参考字形であるので、上記の手順によっても『今昔文字鏡』で検索できなかった場合は「ナシ」と記し、その後に「類似の字形」と推察される文字字形を()内に挙げて示した。例えば次のごときである。
| も | ナシ ( |
扁[糸]旁(a上中[參]b右下[漆]) | なし | なし |
これは、本来は糸篇に、旁が
の下に
が入る字形なのであるが、「扁[糸]旁(a上中[參]b右下[漆])」と示されるよりは視認性の点で勝るとの判断である。
なお、文字鏡フォントのユーザは、ワープロソフトを用いて上記の例示字形で印刷可能である。
以下のl方法を取ればよい。
「文字鏡フォント」とWordや一太郎用に開発された「マクロファイル」。
本コンテンツには『今昔文字鏡』の字形を使用しています。