万葉集検索ファイル説明           吉村 誠
 
manyou.txt Ver3.01 R 2.0 のファイルをもとにしています。
ファイル構造は、基本的には上記ファイルと同じです。
 
【デ−タ構造とそれぞれの説明】
 
 歌を中心に1レコ−ドとします。
 
 最大フィ−ルド長  約2970バイト (山上憶良 沈痾自哀文)
 
 歌配列の一部錯簡(例えば07/1194〜1207など)については、底本の配列によらず、旧国歌大観番号の配列順にしています。
 
1、[番号]
 
 旧国歌大観番号 巻/歌番号の形式で表示します。
   (例) 01/0022
 
 序文など歌とは独立していると認められるものについては、レコ−ドを独立させていますので、歌番号は空白になっています。
 
 異伝歌が左注にある場合は、歌を中心に1レコ−ドとしています。その場合、歌番号に本歌の番号に続けて「S」を記入しています。また本歌を基準にした場合の左注注記を題詞に入れています。
 
(例)2628の異伝歌を1レコ−ドとして独立する。
 
[番号]11/2628
[題詞](寄物陳思)
[原文]去家之 倭文旗帶乎 結垂 孰云人毛 君者不益
[訓読]いにしへの倭文機帯を結び垂れ誰れといふ人も君にはまさじ
[仮名],いにしへの,しつはたおびを,むすびたれ,たれといふひとも,きみにはまさじ
[左注]一書歌<曰> 古之 狭織之帶乎 結垂 誰之能人毛 君尓波不益
[校異]
[KW],衣,序詞,女歌
 
[番号]11/2628S
[題詞](寄物陳思)一書歌<曰>
[原文]古之 狭織之帶乎 結垂 誰之能人毛 君尓波不益
[訓読]いにしへの狭織の紐を結び垂れ誰れしの人も君にはまさじ
[仮名],いにしへの,さおりのひもを,むすびたれ,たれしのひとも,きみにはまさじ
[左注]
[校異]
[KW],異伝,衣,序詞,女歌
 
 
2、[題詞]
 
分類題、標題等もこのフィ−ルドに掲げますが、最初に表記されている箇所の歌番号の題詞に表記します。その場合、底本において2行にわたっているものは、「/」を入れて改行であることを示します。
 
題詞において、「・・・何首」とあって、個々の歌には題詞が付けられていないが、その題詞下にある歌については、[題詞](・・・何首)と()書きにして記入します。
 
底本に見られる目録、及び卷頭卷末の標題卷数(万葉集巻第*)は付していません。
 
3、[原文]
 
校異箇所は<>で示しています。
 
底本が小字表記の場合は、[]を付しました。
  (例)[女郎字曰大名兒也](2/0110)
 
序文など歌とは独立していると認められるものの本文も入れました。その場合は、歌番号は空白になっています。
 
3.1【原文校訂の基準】
 
西本願寺本を底本として、親本である元暦校本や類聚古集を尊重し、非仙覚本系統である紀州本などを参考としました。また当然のことながら活字校訂本の成果も十分取り入れています。
 
原文について、異同のある箇所はその文字を<>で括り、#[校異]に校訂理由を記しています。ただし参考として掲げた部分については、印はほどこしてはいません。
 (例)#[原文]山越乃 風乎時自見 寐<夜>不落 家在妹乎 懸而小竹櫃(01/0006)
    #[校異]<> -> 夜 [西(右書)][元][類][冷]
 
異同対象とする原文は底本における本文であり、本文への書き添えや訂正も異同箇所として記載しました。
 (例)
  [番号]02/0085
  [原文]君之行 氣長成奴 山多都祢 迎加将行 <待尓>可将待
  [校異]尓待 -> 待尓 [西(訂正)][紀][金][温]
 
4、#[訓読]
 
長歌の体裁及び挿入注記の処理は、原文に同じです。
 
訓読は、現在の諸注釈書で行われている訓読を基礎として、校訂者の判断で行いました。
 
文字表記については、文字検索を前提とするため、出来るだけ平易な漢字を用い、現代の熟語表記を基準としました。ただし原文表記を尊重した箇所もあるために、数通りの表記が生じています。
 
 (例) 川、河    我、吾  など
 
5、[仮名]
 
岡島氏の製作になるもの基本としています。訓読を改めた部分もありますが、多くは岡島氏の体裁を残しています。難訓も岡島氏の工夫のままに「*****」としています。
 
6、[左注]
 
左注も、個々の歌には付されていないが、その説明下にある場合は、題詞の体裁にならって()で記入します。ただし、どの歌まで差しているのか意見が別れて不明な場合は、[左注]?()とします。
 
7、[校異]
 
題詞、本文、左注の校異を一括して掲げ、「/」で区切っています。
 
考異は、* -> * [*][*][*] として、底本からの校訂を示し、また参考箇所は、 * [*] * という形式を用いました。
 
 (例)太 -> 大 [紀][冷][文](01/0001)
   [紀][冷][文]により、底本の「太」字から「大」字に改めたことを示しています。
 
    樹 [西(上書訂正)][元][類](06/1009)
   見せ消ちや消去訂正で原字が読み取れず不明なものを、底本の訂正文字で改めたこ   とを示しています。
 
    沙 [元] 弥 [注釈] 紗(01/0015)
   字は底本通り「沙」としたが、ただし参考として「弥」「紗」字も考えられること   を示しています。
 
校異箇所が1レコ−ド中複数存在する場合は、「/」で区切ります。また題詞、本文、左注の校異を一括して記入します。
 
題詞、左注においては、実際に記載されている箇所のレコ−ドに記入しています。()書きの箇所には再記入していません。ただし序文など独立したレコ−ドのある校異は、歌本文のあるレコ−ドに記入しています。
 
8、[キーワード]
 
キ−ワ−ドの項目です。歌の分類、作者、作歌場所(現代地名)、作歌状況、特徴などを中心に検索用単語を掲げています。ただし歌の特徴などは任意の認識に拠っていますので、各自で書き換えていただいてもかまいません。或いは統一性もとれていないかも知れません。また地名など諸説あるものについては、強いて判断を行わずに、併記しています。或いは認識不足から漏れ落ちている要素もあると思います。その場合は、補足してください。補足分をお知らせいただけると幸いです。
 
作者とその歌に関連する人名を区別するために、作者には、人物名の前に「作者:」と記入して検索の便に供しています。また歌中に地名表記がある場合は、「地名」というアイテムを入れており、題詞、左注などから詠まれた場所がわかる場合は土地名表記のみで、歌中の地名表現と詠まれた場所とを区別しています。
 
 
【原表記文字について】
 
題詞、左注、本文、割り注における異体字については、第2水準漢字までの本字を基準として、活字校訂本の採用している範囲で通用字にまとめました。なお第2水準までには含まれていない文字については全角のアルファベット大文字、小文字、仮名、カタカナ 1文字に置き換え、M_GAIJI.TXT に示しています。また一部現行の略体字に置き換えているものもあります。置き換えたものについては同じく M_GAIJI.TXT にまとめました。
 
上記異体字について、「歌」は、底本において「謌」「哥」の表記箇所は参考として掲げました。
 
以下の文字種は、統一しました。
乗、傳、兩、國、壮、寝、寳、将、巌(jis code 3460)、帶、弾、懐、拂、榮、樂、歡、満、濕、濟、為、獻、當、疊、發、真、聲、聴、觸、雜、霊、齊(齋、斎すべて)、衛来、参、拔、拜、挟、數、檢、焼、獣、稱、穂、総、縄、装、顕、飲、驛、驗、鶏、麦、齒、齡、龜、櫟、靱、礪、
 
ただし以下の文字は、混在しており、原本通りとしました。
 
禮:礼、與:与、萬:万、蟲:虫、辨:弁、餘:余、體:体、茎:莖
 
「禰」は「祢」、「邇(JIS83 code 6D6E)」は「迩(JIS83 code 4676)」、「爾」は「尓」に統一しました。また他の略字は原則として本字に統一しています。注意すべき文字は外字表に記しています。
 
[注意] 「邇(JIS83 code 6D6E)」「迩(JIS83 code 4676)」については、JIS78とは逆    になります。
    「籠(JIS83 code 6446)」 と 「篭(JIS83 code 4F36)」も交替します。ご注    意ください。
 
H、【写本】 けい眼したもの。いずれも影印本。
 
    [西] 西本願寺本      竹柏会        昭 8. 8  (底本)
    [嘉] 嘉暦伝承本      竹柏会        昭16. 8
    [紀] 紀州本        後藤安報恩会     昭16. 8
    [宮] 神宮文庫本      勉誠社        昭52. 4
    [天] 天治本        竹柏会        大15. 4
       天治本(冠纓神社蔵) 勉誠社        昭58.12
    [類] 類聚古集       煥文堂        大 2.
    [古] 古葉略類聚抄     佐々木信綱      大12. 2
    [尼] 尼崎本        貴重図書影印刊行会  昭 7.11
    [春] 春日本(残簡)    竹柏会        昭 4. 4
    [壬] 伝壬生隆祐筆本    竹柏会        昭16. 2
    [桂] 桂本         集英社        昭51. 4
    [藍] 藍紙本        講談社        昭46.10
    [元] 元暦校本       朝日新聞社(諸本集成) 昭 3.12
 
    以下、活字校訂本のリストによる
 
    [金] 金沢本
    [文] 金沢文庫本
    [温] 温故堂本
    [京] 京大本
    [細] 細井本
    [大] 大矢本
    [冷] 伝冷泉為頼筆本
 
【版本】
 
    [寛] 寛永版本
 
【参考活字校訂本】
 
 (楓)  鶴久・森山隆      おうふう    平 3. 5
 (塙)  佐竹昭広他       塙書房     平 5. 3   初版33刷
 [新訓] 新訓万葉集 佐々木信綱 岩波文庫    昭52. 9   58刷
 [定本] 定本万葉集 佐々木信綱 岩波書店    昭23. 6
 [新校] 新校万葉集 佐伯梅友他 創元社     昭32. 5   10版
 校本万葉集 全17巻       岩波書店    昭57. 8   増補第2版(完結)
 
【参考注釈書(古注も含む)】  刊行年期は該当巻最終刊行年月
 
 万葉集拾穂抄    北村季吟            新典社      昭52. 1
 万葉集管見     下河辺長流   契沖全集    朝日新聞社    昭 2. 2
 万葉集代匠記 初稿本・精撰本   契沖全集    岩波書店     昭49. 8
 万葉集僻案抄    荷田春満    荷田全集    名著普及会    平 2.12
 万葉集童蒙抄    荷田在満 他  荷田全集    名著普及会    平 2.12
 万葉考       賀茂真淵 他  真淵全集    続群書類従完成会 昭60. 9
 玉小琴       本居宣長    宣長全集    筑摩書房     昭51. 6
 万葉集略解     加藤千陰            国民文庫刊行会  明44. 2
 万葉集古義     鹿持雅澄            精文館      昭12. 3
 
 万葉集新考     井上通泰            国民図書(株)  昭 4. 1
 万葉集全釈     鴻巣盛広            大倉広文堂    昭10.12
 万葉集講義     山田孝雄            宝文館      昭12.11
 万葉集注釈     澤潟久孝            中央公論社    昭45.11
 万葉集全註釈    武田祐吉            角川書店     昭32. 9
 万葉集全注(未完のため一部利用) 伊藤博 他    有斐閣      平 5. 4
 岩波古典大系『万葉集』 大野晋 他        岩波書店     昭48.12
 小学館全集『万葉集』  佐竹昭広 他       小学館      昭56.12
 新潮古典集成『万葉集』 伊藤博 他        新潮社      昭59. 9
 角川文庫『万葉集』   伊藤博          角川書店     昭63. 2
 講談社文庫『万葉集』  中西進          講談社      昭55. 2
 旺文社文庫『万葉集』  桜井満          旺文社      昭50. 4
I、【ご利用上の条件】
 
原文、訓読、また訓読表記の責任は、校訂者が負います。従って、本テキストの著作権は校訂者にあります。ただし、誤字脱字など入力ミスによるご利用上の支障や損害は、責任を負いかねますので、あらかじめご了承下さい。
 
校正には万全を期していますが、まだ気のつかない箇所があると思います。万が一、誤字を発見された場合は、校訂者に一報をお願い申し上げます。
 
【入力協力芳名】(敬称略)
 
このテキストを製作するにあたって、下記の方々の協力をいただいております。記して深謝申し上げます。
 
[原文]
 
池田(飯泉)三枝子(実践女子大)  基礎入力
川本純子(山口大学 平1年度卒)   同
上野淑子(山口大学 平3年度卒)   同
中村武司(山口大学 平4年度卒)   校正
河村奈津子(山口大学 平5年度卒)  同
石神晶子(山口大学 平5年度卒)   同
 
[訓読]
 
北野達(米沢女子短期大学)     基礎入力
池田(飯泉)三枝子(実践女子大)  校正
川本純子(山口大学 平1年度卒)   同
 
[仮名]
 
岡島昭浩(福井大学教育学部)      基礎入力
 
[データベースシステム]
 
松尾圭子(山口大学 表現情報コース 平11卒)
新原久仁子(山口大学 表現情報コース 平11卒)
 
K、【謝辞】
 
[仮名]の本文は、本来岡島昭浩氏のご好意で作成されたものであり、今回の改訂版にそのまま利用することを快く許可くださったことに感謝申し上げます。